組織の他者といかに出会うか:批評から創造を生むファシリテーションの術(すべ) 

2022.08.16/93

一般的に、イノベーションや創造的なコラボレーションは、異質なもの同士の組み合わせによって生み出されると言われています。また、組織論の観点では、昨今急速に進む人材の多様化を創造的な成果に繋げるための取り組みが多数行われています。

ただし、人種や年齢、性別などの社会的な属性を多様にするだけで、創造的なコラボレーションが促進されるわけではありません。人材の多様化が創造性に活かされるためには、一人ひとりが”内側”に抱える知識や価値観、ものの見方が交換できるような共創のあり方をつくり出す必要があります。

しかしながら、常に合理性・効率性を重んじたコミュニケーションが求められる企業の中では、一人ひとりの“内側”に接触する機会は、それほど多くはありません。また、一人ひとりが他者の”内側”と出会い、共創に繋げるための方法論も、未だ探究のさなかにあります。

私たちは、創造的なコラボレーションに繋がる他者の”内側”といかにして出会えるのでしょうか。また、ファシリテーターとして、組織内で「他者」と出会う状況や場をつくるためにどのような働きかけがあり得るのでしょうか。

本イベントでは、こうした「他者性」との出会いをデザインするための方法論について、ファシリテーターの「術(すべ)」の観点から探究します。ゲストは、美術教育学を専門とし、創造的なコミュニケーションを生み出す理論や実践を多数展開する北野諒さん(大阪成蹊短期大学 幼児教育学科 講師)。聞き手はアートプロジェクトやワークショップを通じた組織文化開発などを担当する臼井隆志(株式会社MIMIGURI アートエデュケーター)が務めます。

組織内のコラボレーションを生み出す方法論に関心のある方、日常の中で人と人がお互いのものの見方を分かち合う場のつくり方に関心のある方、美術と経営・組織論とが接続するコミュニケーション論について学びたい方におすすめのイベントです。ぜひお気軽にご参加ください。

ゲスト

北野 諒(大阪成蹊短期大学 幼児教育学科 講師)

京都芸術大学アート・コミュニケーション研究センターにて研究員を前任し、学校・美術館・博物館・地域芸術祭など様々なフィールドで、対話型鑑賞を応用したワークショップの開発・実践を行う。現在は研究テーマを「関係の造形」として、幼児の表現活動や遊びを手懸りにしながら、非言語的な交感までを含めた対話のかたちを探求している。直近のファシリテーションの事例として、「社会・人のための美術教育?:美術教育の未来に向けた疑問符」(美術科教育学会リサーチフォーラム、2022)の企画・運営・登壇がある。

進行・話題提供

臼井隆志(株式会社MIMIGURI Facilitator/Art educator)

学生時代から現代美術家や劇作家らと協同し、幼児から中高生、大人までが関わるアートプロジェクトのプロデュース、ファシリテーションを担ってきた。MIMIGURIでは主にワークショップを通じた組織文化開発や人材育成の教材開発を担当している。

パッケージ

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