デザイナーはどう研究に取り組むとよいのか?|CULTIBASE Radio|Design #6
デザイナーはどう研究に取り組むとよいのか?|CULTIBASE Radio|Design #6
/約20分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio デザインの6回目では、株式会社 MIMIGURIの小田裕和と瀧知惠美が、「デザイナーはどう研究に取り組むとよいのか?」をテーマにディスカッションしました。

  • 本日は、Twitterで頂いたリクエストにお答えする回。いただいたお題はこちら。「CULTIBASE Labの会員になり、学会・論文に興味が出てきたものの今まで学会に無縁な人生だったので何から関わっていいかわかりません。UI・UXデザイナーにおすすめの学会とハードルの低い学会への関わり方があれば教えてください」
  • そもそも、最初に学会に触れたきっかけは「先生に連れられて」だったり「他の大学の先生に会いにいくため」だったりするという小田・瀧。はじめから発表したり「分かろう」としたりせずとも、「とりあえず聞きにいく」が入口としては良いのだと言う。
  • 日本学術会議のホームページには、登録されている団体・学会のリンク集がある。その一覧を見て興味がある学会を見つけるとよいかもしれない。
  • 研究においても、情報を得る際に大切なのは人の繋がりである。自分の興味がある研究をしている先生と知り合っておいたり、面白かった書籍の研究者について調べてみたりすると、さらなる活動や情報が入りやすくなる。
  • また、人によっても「1つのことを突き詰めたいのか」「分野を横断したいのか」で、探求のアプローチが大きく変わるため、「自分はどういう探究が好きなのか」を意識するのもよいかもしれない。
  • 最後にお伝えしたいのは、多くの人が直面する研究の壁の1つに「大きすぎるリサーチクエスチョンを立てる」というものがあることだ。研究だけに人生を捧げても、全部を解き明かすことはできない。大きすぎるリサーチクエスチョンを立てると、実践の段階で手が止まってしまうのだ。
  • 例えば、瀧は「デザインって何?」「デザイナーは結局何ができる人たちなのか?」という大きなテーマを持ちつつ、目の前のテーマとしては「デザイン制作の省察」を掲げて、自分ができることから研究をしている。
  • 大きなテーマと目の前のテーマ、この2つをどうバランスよく持っていられるかが研究を進めていく鍵になる。

出演者

小田 裕和
小田 裕和

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。

瀧 知惠美
瀧 知惠美

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学、東海大学非常勤講師。ヤフー株式会社にて複数サービスのUXデザインを担当した後、UXの社内普及のためワークショップ型の研修やUX導入から組織浸透までの実務支援を主導。UX実践を成果へ結びつけるため、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。MIMIGURIでは、UXデザイン・サービスデザインをはじめとする事業開発を中心に担当。よりよいユーザー体験につながるモノ・コトを生み出すために、つくり手の体験も重要と考え、事業開発と組織開発の組み合わせ方を実践と研究の両軸を重視しながら探究している。

小田 裕和
小田 裕和
瀧 知惠美
瀧 知惠美