事業多角化のジレンマをいかに乗り越えるか?:シナジーを生み出す組織デザイン論

2022.10.24/95

組織の中で複数の事業を持つ「事業多角化」によって得られる代表的なメリットの一つに、「シナジー(synergy)」の創出が挙げられます。シナジーとは、「複数の事業が一つの企業にまとまることで、それらが単独で生み出すよりも大きな価値が生み出されること」と定義され、異なる事業間に働く相乗効果のことを指します。また、その相乗効果の有り様は、掛け合わされる各事業や組織の状況によって大きく変化することから、シナジーの創出は企業にとって競争優位性を確保する有効な手段のひとつとしても位置づけられています。

しかしながら、ただ闇雲に事業を乱立するだけでは、企業価値の向上は見込めません。それどころか、異なる事業が互いに影響し合った結果、企業全体の価値を損なう「マイナスのシナジー」が生み出されてしまうケースも少なくありません。また、事業多角化は「選択と集中」と対になる戦略でもあるため、事業多角化の推進には、資源の分配のバランスをはじめとした多様なジレンマと常に向き合うことが求められます。

本イベントでは、ゲスト講師に慶應義塾大学商学部教授・牛島辰男先生をお招きし、事業多角化を正しく行い、ジレンマと適切に向き合うための組織デザイン論をテーマとした講義の様子をお届けします。当日のファシリテーターは、株式会社MIMIGURIのメンバーであり、まさに事業多角化を推し進める企業への伴走経験を豊富に持つ遠又圭佑と湯川卓海が務め、実践的観点から改めて多角化を進める上での難しさやポイントを語ります。

シナジーを生み出すための組織の構造設計に関心のある方をはじめ、組織デザインの領域に関心のある方にはぜひ見ていただきたい内容です。ご都合よろしければぜひご参加ください。

参考:牛島辰男『企業戦略論 構造をデザインする』有斐閣.

出演者

[収録出演]
牛島 辰男さん(慶應義塾大学商学部教授)

1989年、慶應義塾大学経済学部卒。91年、同学大学院経済学研究科修了。2003年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アンダーソン経営大学院、経営学博士(Ph.D.)。三菱総合研究所研究員、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(青山ビジネススクール)准教授・教授を経て現職。

[当日出演]
遠又 圭佑(株式会社MIMIGURI ファシリテーター/コンサルタント)

慶應義塾大学法学部法律学科卒業。MIMIGURIでは、イノベーションプロジェクトの責任者を務め、人・組織・社会の変容にファシリテーターとして伴走している。R&D部門や新規事業部門に出向し、ハンズオンでボトムアップ型の事業・組織づくりを推進することを得意としている。CULTIBASEでは組織学習に関するコンテンツを担当。MIMIGURIに入る以前は、日系企業再生コンサルティングファームにて、再生対象企業の事業計画策定、経営企画機能の整備、資金繰り管理等に従事していた。北海道東川町在住。

湯川 卓海(株式会社MIMIGURI プロジェクトマネージャー)

慶應義塾大学理工学部電子工学科卒業。神奈川県出身。大学在学中にミュージカル制作や演劇制作に携わったことをきっかけに、創造性あふれる組織のマネジメント手法に興味をもつ。新卒で面白法人カヤックに入社。クライアントワークのプロジェクトマネジメントを務める。会社内の新人賞を受賞し、2年目以降には事業部内の知見共有会の場づくり、ディレクションを行う。現在は、創造性を維持、向上し続けられるような組織開発や組織デザインを探究している。MIMIGURIではCULTIBASEや組織開発・人材育成プロジェクトのマネジメントを担当している。

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