事業開発における提供価値の捉え方 -顧客と新たな関係性を紡ぐための「山の図」の提案

2021.08.23/104

自社の製品やサービスの存在価値を伝え、高めていくためには、顧客の立場に立ち、顧客が何に価値を感じているのかを把握することが重要です。また、『イノベーションのジレンマ』で知られるクレイトン・クリステンセンは、企業が価値として提供するものと実際に顧客が価値に感じている内容にはしばしばズレが生じることを指摘し、このズレを生まないようにするための理論として、『ジョブ理論』を提唱しました。

クリステンセンは「ジョブ」を「ある特定の状況で人が遂げようとする進歩」と定義します。しかしながら、『ジョブ理論』における「状況」とは、日常のいち場面を切り取ったものに過ぎず、その状況を生み出す私たちの関係性やライフステージが日々変化するものであることは、さほど考慮されていません。

人々の人生を真の意味で豊かにしていく製品やサービスとは何かを考えると、一つのジョブを解決すればお払い箱になるようなものではなく、使用する生活者のありたい姿(ビジョン)について考えを巡らせ、一つのジョブを解決した「その先」を念頭に置いてデザインされている必要があるはずです。ジョブとは達成と発生を繰り返すものであり、また顧客のビジョンは状況に応じて移り変わります。

本イベントでは、連続的なジョブの達成と発生の中で、人々のビジョンの実現に寄り添い続けるような事業をいかに開発するか、株式会社MIMIGURIの小田裕和が新たに提案する「山の図」をもとに解説します。聞き手は同じく株式会社MIMIGURIの田幡祐斤が務め、多角的な観点から、「山の図」を実務に活用していくためのポイントを探究します。

参考文献:
クレイトン・M・クリステンセン, 依田光江ほか. 2010.『ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム』

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