アイデアは“似ているもの”から飛躍させる:連載「アナロジー思考の秘訣」第1回
アイデアは“似ているもの”から飛躍させる:連載「アナロジー思考の秘訣」第1回

アイデアは“似ているもの”から飛躍させる:連載「アナロジー思考の秘訣」第1回

2020.10.26/3

商品やサービス、クリエイティブのコンセプトを考えるときなど、創造的な仕事において「アイデア」を生み出す力は不可欠です。ビジネスパーソンには「論理的思考(logical thinking)」が求められますが、論理的思考に囚われていればいるほど、突飛なアイデアが生み出せなくなる側面があることもまた事実。短期連載「アナロジー思考の秘訣」では、論理的思考では辿り着けない、飛躍した発想を得るための思考法「アナロジー思考(analogical thinking)」について、その特徴や手順を解説します。


アイデアを別の領域から借りてくる

「アナロジー思考(analogical thinking)」とは、別の領域のアイデアから、要素を借りてくることで、アイデアを発展させる思考法です。別の言い方をすれば「似ているものから考えること」とも言えます。

たとえば「就活支援サービス」を考えるとしましょう。通常であれば、たとえば「就活生の困りごとは?」「企業側のニーズは?」「現状の就活支援サービスの問題点は?」「どんな就活が理想的だろう?」などと、ターゲットである「就活」の領域のなかで思考することで、アイデアを検討します。

他方で、アナロジー思考では、「就活」とは別の領域をソースとして、アイデアを借りてくるのです。たとえば「就活」と似ている性質や構造を持った領域として「婚活」というソースに着目してみましょう。

性質や構造が似ているソースから、ターゲットにアイデアを借りてくる

「就職」と「結婚」はイコールではありませんが、これからしばらく共に歩む相手と「契約」を交わすという意味で、「相手は慎重に選ぶ必要がある」「けれども相手のスペックだけでなく、フィーリングが合うかどうかが大事である」「直前で契約を破棄すると、とても迷惑をかける」などの点で、似ている側面も見出せます。

したがって「婚活支援サービス」で使われているソリューションのアイデアは、もしかすると「就活支援サービス」にも転用可能かもしれません。調べてみると、最近の婚活パーティの中には「暗闇で交流する」「仮面をつけて交流する」など、外見や経歴ではなく「内面に目を向けさせる」工夫がウケているようです。

そこで、履歴書や会社名などを伏せて、人事と就活生が”暗闇”でコミュニケーションをする機会を作るのはどうだろうか?などと、これまでにないアイデアが浮かびます。このようにして、類似性を持った領域から、要素を借りてくるかたちで、アイデアを発想する。これが、アナロジーを活用した発想法の一例です。

本連載では、アイデア発想のさまざまな場面で役に立つこの「アナロジー思考」の特徴と手順について解説していきます。次回は、アナロジー思考を支える「似ているものを見つける」という認知過程について掘り下げます。お楽しみに。

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