CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの12回目では、CULTIBASE編集長の安斎勇樹と株式会社MIMIGURI Co-CEOのミナベトモミが、「会社に「所属チーム」というハコを作ることの意味とは?」をテーマにディスカッションしました。
- 安斎の素朴な疑問:「所属するチームを作ることの意味とはなんだろうか?」
- 各プロジェクトにおいては、チームで働くことの重要性は理解できる。しかし、そういうプロジェクトチームへのアサイン管理がうまくできていれば、ホームとなる所属チームがなくても回るのではないか?
- ミナベの結論:「確かに、所属チームは別に要らない」
- むしろ、最近のトレンドでは所属チームを作らない。ティール組織やホラクラシーの考え方では、個人の目標や責任範囲など「調整パス」を明確に設計するが、その際、ハコ(チーム)に意識がいくと自由な越境がしにくくなるので、ハコを作らない。
- それでは、ハコの良さとはなんだろう?
- 良さ①:箱を作るとそこにアイデンティティが生まれる。「このハコにいる意味ってなんだっけ?」「同じハコの人たちと協力する意味ってなんだっけ?」と探索し、意味づけを多様に広げる機会が生まれる。
- 良さ②:すでにでき上がったシニア人材であれば良いが、若い層にとってはハコとしてのアイデンティティを持つことが個人としてのアイデンティティを形成するための足場がけとして機能していることもある。
- 安斎の素朴な疑問その2:「どうやって、チームのアイデンティティを作っていけばいいのだろうか?」
- 世の中の事業会社にも機能別組織が多いが、機能にアイデンティティを持たせすぎると占有性が生まれ、失敗することがある。アイデンティティをHOWではなく、WHYに持たせるように意識することが大切。
- クラス制度がない大学で、みんな結局ゼミやサークルにアイデンティティを持たせることになるのも同様。それが大学に通う動機になったりするなど、「ホームを感じられる少人数の集団」はエンパワーメントの観点で大切。会社や“所属チーム”というハコには、そういう性質がある。