CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの63回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「漫画とアニメで鍛える組織学習の観察眼」をテーマにディスカッションしました。
- 学習の研究者である安斎が、今回のラジオで主張したいのは「学習理論を知っておくと、さまざまな人間の学習がわかるようになる」ということだ。
- 学びのあり方は多様だ。例えば、学習は必ずしも行動変化のことではないが、[学習=行動変化]という学習理論しか知らないと、他の人のそれ以外の学習プロセスやポテンシャルを見逃してしまうことになる。
- しかし、学習理論は種類が多く、知るのも慣れるのも難しい。そこで安斎がトレーニングとして有用だと考えているのが「映画、漫画をみること」だ。
- 多くの物語では、主要な登場人物の成長が描かれる。そして、それがどのような学習のプロセスで描かれているかは、作品によって大きく異なるのだ。例えば『スラムダンク』では、桜木花道がバスケットボールのコミュニティに参加する過程で、素人というアイデンティティから、最後には「バスケットマン」という自認を持つようになる。これは学習科学では「正統的周辺参加論」という考え方にあたる。
- 他にも、ミナベのお気に入りのアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』では、死んだら過去に戻って生き返るというタイムループを経て、“ダメダメ”な主人公が成長していく過程が描かれる。この場合、前半にはテクニカルな点を主眼としたコルブの「経験学習モデル」、後半には「本質的諸相への気づき」を促すとされるコルトハーヘンの学習モデルが当てはまると考えられる。