働く人のためのアンラーニング論-価値観の固着化を予防する学習の手がかり

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約94分

3/5(土)に開催された『働く人のためのアンラーニング論 -価値観の固着化を予防する学習の手がかり』のアーカイブ動画です。キャリアの幅を狭める“価値観の固着化”を防ぐ学習観として注目を集める「アンラーニング」。ゲストに法政大学経営学部教授・長岡健さんをお招きし、アンラーニングの基本から実践論まで伺います。聞き手は学生時代に3年間長岡先生の研究室に所属した、CULTIBASE編集部・水波が務めました。

チャットログはこちら

チャプター
00:11 イントロダクション・進行自己紹介
12:29 ゲスト紹介・本日のテーマについて・チェックイン
20:29 優秀なビジネスパーソンほど陥りがちな「悲しい努力家」と「茹でガエル状態」
33:18 アンラーニングとは何か?:アタリマエを揺さぶる“脱・予定調和”
40:43 「漢方薬」としての越境と、「外科手術」としてのワークショップ
55:14 アンラーニングの世界観:アマチュアリズム的な仕事観と学習観
01:01:49 2種類のアンラーニング:学習は手段なのか?
01:06:20 質疑応答・インタビュー
01:19:30 越境を刺激的にするインフォーマル&パブリックなテーマ設定
01:28:58 クロージング

今週のポイント
・ビジネスの場では、臨機応変に状況を判断して課題を解決し続ける、多くの「悲しき努力家」がいる。彼らは優秀なトラブルシューターとして企業内で高く評価されているため、社会やビジネスにおけるルールの変化に気づかない「茹でガエル」状態に陥る危険性がある。
・「茹でガエル」状態から脱するには「アンラーニング(=既存の価値観/知識から脱却し、自己変容する)」がカギとなる。しかし、アンラーニングは「自分はこのままでも大丈夫」という心理に妨げられがちである。
・こうした状況を乗り越えるには、自分とは異なる価値観と交わり、「当たり前」を疑い続けること(=越境)が重要になる。越境は、慢性疾患に対処するように日々緩やかに続けることで、変化をもたらす。一方、急性疾患に対処するように凝り固まった価値観をほぐす必要がある時は、ワークショップが有効だ。
・長岡さんのアンラーニング論には、「アマチュアリズム」が色濃く反映されている。ビジネスにおいても、過度な合理性や生産性を求めるだけではなく、「楽しい/好きだからやる」というプロセスを大切にする姿勢を少しずつ取り入れることが重要だ。
・アンラーニング論には2種類ある。1つ目は、変化に適応するためのアンラーニング(組織論 – 学習棄却)。2つ目は、日々生活環境が変わりゆく中で仕事観や学習観を見つめ直すためのアンラーニングである(学習論 – 学びほぐし)。どちらも重要ではあるが、2つめのアンラーニングの重要性を伝えたい。アンラーニングは手法ではなく、新しいワークスタイル・ライフスタイルである。

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出演者

水波 洸
水波 洸

法政大学経営学部経営学科卒業。大学在学中からワークショップを中心とした対話の場のデザインを学び、2017年より参画。MIMIGURIでは編集者としてCULTIBASE事業におけるコンテンツの企画・制作を担当。創造性の土壌を耕すための知を編み直し、社内外に届ける役割を担っている。

長岡 健
長岡 健

法政大学経営学部教授