学習環境のイノベーション:”両利きのデザイン”は可能か?

2021.05.01/104

社会環境の変化に伴い、人と組織の「学習」の意義は高まり、それを支える「学習環境(空間・活動・共同体・人工物)」のデザイン方法が課題になっています。

今回のイベントでは、「学習環境のイノベーション」をテーマに掲げ、学習プロセスを支える数多くの革新的な仕組みについて実践的に研究する山内祐平先生(東京大学大学院情報学環 教授)をゲストにお招きします。山内先生は、CULTIBASE編集長の安斎勇樹の博士論文の指導教員でもあります。

山内先生の近刊『学習環境のイノベーション』(東京大学出版会)では、学習領域とデザイン領域の理論を学際的に架橋させながら、学習環境をデザインする思考の枠組みとして「問題解決デザイン」と「問題創出デザイン」の2種類のダブルループ型のデザインモデルが提案されています。これらのモデルは学習支援の領域にとどまらず、商品開発やプロダクトデザインの領域で比較される「デザイン思考」や「意味のイノベーション」の使い分けや、現代経営学における「両利きの経営」の実践方法にも、多くの示唆を与えてくれます。

本イベントでは、山内先生から『学習環境のイノベーション』の概要について話題提供いただいたのちに、安斎勇樹を聞き手としながら、デザイン論の二項対立を超える“両利き“のアプローチの可能性について、ディスカッションを深めていきます。

これからの学習支援や人材育成に関心がある方はもちろん、デザインやイノベーションの方法論について理論的な理解を深めたい方にもおすすめです。

ゲスト

山内 祐平
東京大学大学院情報学環 教授
大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程中退後、茨城大学人文学部助教授を経て現職。博士(人間科学)。情報化社会における学びのあり方とそれを支える学習環境のデザインについてプロジェクト型の研究を展開している。
主な著書に『学習環境のイノベーション』(単著、東京大学出版会)、『ワークショップデザイン論 ―創ることで学ぶ』(共著、慶応大学出版会)、『デジタル教材の教育学』(編著、東京大学出版会)、『学びの空間が大学を変える』(共著、ボイックス)などがある。

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