組織ファシリテーション論 最新講義:組織の創造性のマネジメント

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約103分

1/15(土)に開催された『組織ファシリテーション論 最新講義:組織の創造性のマネジメント』のアーカイブ動画です。CULTIBASE編集長・安斎勇樹と副編集長の東南裕美が登壇し、2022年版・Creative Cultivation Model(CCM)を軸に、創造的な組織の状態とそれに向けたファシリテーションについて講義を行いました。

資料はこちら

チャプター
00:11 イントロダクション(本日のテーマ紹介など)
08:53 組織ファシリテーションとは何か?
16:00 組織が創造的である状態とは?
26:49 組織の創造性を阻害する根本問題
37:10 ファクトリー型からワークショップ型の組織へ
42:56 組織の過渡期に発生する4つの現代病・前編:①認識の固定化/②関係性の固定化
57:08 組織の過渡期に発生する4つの現代病・後編:③衝動の枯渇/④目的の形骸化
01:05:07 理論的基盤「Creative Cultivation Model(CCM)」の全体像
01:18:28 組織ファシリテーションモデルについて
01:37:35 ラップアップ・今後のイベントのお知らせ

今週のポイント
・人と集団のポテンシャルを引き出す”ファシリテーション”。組織の一人ひとりの創造性を発揮させ、チームの創造的な対話を促進し、その力を組織ビジョンと共鳴させながら、組織変革をボトムアップに起こしていくための方法論の総称である。
・そもそも「創造的」とはどういう状態だろうか?個人レベルでは「豊かな発想が生まれる状態」、集団レベルでは「関係性が築かれ、新たなコラボレーションが生まれている状態」、組織・社会レベルでは「組織のルーティンが刷新され、革新的な価値が生まれる状態」だと言える。これらはグラデーションなはずだが、個人に組織・社会レベルの”創造性”を過度に期待してしまってはいなかっただろうか?
・企業は成長していくにしたがって、異なる壁にぶち当たる。最初は大切だった「選択と集中」の戦略や、「トップが問題(why)を定義して、現場が解決策(how)を磨く」 というファクトリー型の組織形態が、事業の多角化を要請されるなかでうまくいかなくなり始める。
・そこで重要なのが「分散と修繕」の戦略と、「トップが理念(WHY)を探究し、現場が問題(why)の発見と解決策(how)の探索を担う」というワークショップ型の組織形態だ。
・Creative Cultivation Model(CCM)は、個人〜集団〜組織・社会の各層の創造性が循環している状態を示している。あらゆる創造性の前提には、「外的に要求される価値」と「内的に湧き上がる動機」の葛藤的活動があり、このいずれかに「折り合い」をつけてしまった途端に、活動は停止し、主体の創造性は失われてしまう。
・組織ファシリテーションとは、このような個人〜集団〜組織・社会の創造的状態を実現するプロセスである。組織においては、目に見える要素(定量的データや、構造的介入)と目に見えない要素(定性的データや、対話的介入)をどちらも重要だ。そして、それを実現するのはCI(コーポレートアイデンティティ)を核とした経営戦略・事業開発、組織制度開発、組織文化開発、人材開発である。

CULTIBASEでは、2020年8月のリリース直後から、創造的な組織の見取り図として、「Creative Cultivaion Model(CCM)」を提唱し、サービス全体を通じた探究活動の軸としています。

今回のイベントではそのCCMの「第2版」となる最新版が、初めてCULTIBASEで公に語られる機会となりました。図の解説だけでなく、CCMを推進していくためのファシリテーターとして活躍するためにポイントも合わせて解説されています。全編視聴するお時間のない方も、動画のチャプター機能を使うことで該当の箇所にすぐに飛ぶことができます。ぜひチャプター「理論的基盤「Creative Cultivation Model(CCM)」の全体像」(01:05:07あたり)からご視聴ください。

動画内で紹介したコンテンツ一覧

本日のイベント内で紹介した関連コンテンツは以下の通りです。

▼動画

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▼書籍
問いのデザイン: 創造的対話のファシリテーション
https://amzn.to/3A1W6xh

リサーチ・ドリブン・イノベーション 「問い」を起点にアイデアを探究する
https://amzn.to/33vNO4x

出演者

東南 裕美
東南 裕美

リサーチャー / ファシリテーター

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了。立教大学大学院経営学研究科博士後期課程在籍。人と組織の学習・変容に興味を持ち、組織開発が集団の創造性発揮をもたらすプロセスについて研究を行っている。共著に『M&A後の組織・職場づくり入門:「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』がある。

安斎 勇樹
安斎 勇樹

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

https://x.com/YukiAnzai
https://note.com/yuki_anzai
https://voicy.jp/channel/4331
http://yukianzai.com/

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