組織の創造性を支える「正直さ」を獲得するには? ギャルに学び、“無自覚な抑圧“を乗り越える

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約98分

4/15(土)に開催した「組織の創造性を支える「正直さ」を獲得するには? ギャルに学び、“無自覚な抑圧“を乗り越える」のアーカイブ動画です。本イベントでは、「ギャル式ブレスト」を展開する合同会社CGOドットコムのバブリーさんをゲストに迎えし、“ギャルマインド”から、正直さの獲得について考えました。

チャットログはこちら

「組織の創造性を支える「正直さ」を獲得するには? ギャルに学び、“無自覚な抑圧“を乗り越える」のチャプター

11:20 チェックイン:あなたの身の回りにいる「正直な人」とはどんなイメージでしょうか?
18:00 沈黙の螺旋仮説の導入
32:06 沈黙の螺旋仮説の補足と「ギャルマインド」への導入
38:26 バブリーさんの自己紹介
53:16 ギャルは相手に同じであることを求めない
01:08:14 意思決定層が、自分を大事にすること
01:14:30 ディスカッション〜自分軸と向き合える環境はどう構築できるか
01:23:16 ディスカッション〜正直さを組織の創造性につなげていくためには

「組織の創造性を支える「正直さ」を獲得するには? ギャルに学び、“無自覚な抑圧“を乗り越える」のポイント

  • まずイベントの導入として、小田と西村から沈黙の螺旋仮説についての解説がなされた。沈黙の螺旋仮説とは、政治学者であり社会学者でもあったE. ノエル=ノイマンが提唱した仮説である。ノイマンは、旧西ドイツ連邦議会選挙の際に伯仲していた2つの政党が結果的に一方の政党の圧勝に終わったという事実を踏まえ、自分の考えが少数派である、あるいは、そうなり得ると認識した人は孤立することを恐れて沈黙するのではないかと提唱した。
  • 小田は、たとえ多数派の意見を持つ人たちに相手を黙らせようという意図がないとしても、人は沈黙をしてしまうと述べ、こうした沈黙の螺旋は選挙や世論だけではなく一企業の組織においても同様のことが言えるのではないかと指摘する。また、声を上げれば良いという問題ではなく対話や信頼関係の構築が重要で、孤立を恐れる人が恐れも含めて正直に伝える、あるいは受け止められるかどうかが非常に重要だと小田は語る。
  • しかし正直に伝えることや正直に伝えられる関係性を築くことは非常に難しい。小田は自身の過去の体験やギャル式ブレストの経験を踏まえ、ギャルのマインドセットに正直でいることを考えるヒントがあるのではないかと語る。組織が正直さを発露できる環境をつくるためにはという観点で、「ギャル式ブレスト」を展開する合同会社CGOドットコムのバブリー氏に話を聞いた。
  • CGOドットコムでは、ギャルマインドでビジネスシーンを変えていくという取り組みを行っている。バブリーは「好きを貫く姿勢」「自身の欲望や直感に従う勇気」「ポジティブな思考」がギャルマインドのエッセンスだと語り、人々の心のなかにあるギャルマインドを引き出すためのコミュニケーション支援を行っていると語る。
  • バブリーはギャル文化の「アゲ」は心の温度が1度2度上がるような直感的な好きだと語り、それぞれがアゲをもっているために「私も最高だけどあんたの好きも最高だね」のような互いを認め合う文化があると述べる。小田はこうした文化は沈黙の螺旋を軽く超えていると指摘し、バブリーは同質性よりも違うことを尊重することが背景にあるのではないかと語った。
  • では「ギャルマインド」を日常の景色にしていくにはどうすればよいのだろうか?バブリーは一日に1度自分に何をしたいか、何が食べたいかなどを聞いてあげたり、ギャルマインドを思い出せるグッズを身につけることが大事だと語る。小田は、自分の関心を大事にしているマネージャーや経営層は、身の回りにも押し付けずにそれぞれの好きを大事にできていると語り、経営層が率先して自分がやりたいことをやることが大事なのではないかと語った。
  • イベント終盤のディスカッションでは、自分軸というものに一貫性を求めすぎずイマココの衝動を大事にすべきだと西村は語り、自分軸に向き合うためには自分軸の概念自体をしっかりと問い直していくっていうことが大事なのではないかと小田は語った。組織においては心の中から沸き立つものをきちんと共有しあえて、みんなが面白がっている状態/バイブスが理想だと語り、結論で合意しようとせずこのバイブスを大事にすることをまず考えるべきではないかと締め括った。

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出演者

西村 歩
西村 歩

東京大学大学院情報学環客員研究員。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。実践研究方法論が専門家。現在はコンサルティングファームに内在する実践知の形式知化やナレッジマネジメントに関する研究活動に従事。電子情報通信学会HCGシンポジウム2020にて「学生優秀インタラクティブ発表賞」、電子情報通信学会メディアエクスペリエンス・バーチャル環境基礎研究会にて「MVE賞」を受賞。

小田 裕和
小田 裕和

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。