“リーダーシップ“を再定義する:対立する集団にどのように向き合うか?

2023.05.03/96

現代社会における大きな課題の一つは、「多様な人々との共存」です。

組織においても、さまざまなライフスタイルや考え方、価値観をもつ人々がともに働くなかで、よりよい関係を築きたいと思いながらも、否応なく生じる「対立」に多くの人が頭を悩ませています。

こうした「対立」と向き合うにあたって、早急な解決ではなく、あえて「とどまる」ことの重要性を説くのが、プロセスワークの創始者、アーノルド・ミンデルです。ミンデルは、書籍『対立の炎にとどまる──自他のあらゆる側面と向き合い、未来を共に変えるエルダーシップ(原題: Sitting in the fire )』の中で、「エルダーシップ」と呼ばれる概念を提唱しています。

「エルダーシップ」の考え方では、異なる立場の人同士が対立を引き起こしている時、たとえ「解決策」が見えない状態でも、まずは「終着点はない」と受け入れ、人々を安心させることが大切だとされています。エルダーシップでは、対立を制するための戦略を練るのではなく、アウェアネスと敬意をもって人間関係と向き合うことを重視するため、従来のリーダーシップとは異なる「新しいリーダーシップモデル」として描かれています。

また、こうした双方が抱えている「問題」と「感情」の両面に目を向けたマネジメント/リーダーシップ像は、CULTIBASE編集長・安斎勇樹(株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO)と、舘野泰一(立教大学経営学部准教授/株式会社MIMIGURI リサーチャー)による新著『パラドックス思考』の考え方とも通底します。

本イベントでは、『対立の炎にとどまる』の訳者・松村憲さんをゲストにお迎えし、安斎・舘野が『パラドックス思考』の観点を中心に、これからの時代に求められる新たなリーダーシップのあり方について探究します。

組織内の対立や摩擦について考えたい方、リーダシップやマネジメントの新しいあり方に関心のある方、異なる立場や価値観を持つ人々との向き合い方を学びたい方にオススメのイベントです。ぜひご参加ください。

 

登壇者

松村憲さん(株式会社BLUE JIGEN CEO/バランスト・グロース・コンサルティング株式会社取締役)

国際コーチング連盟認定PCC、臨床心理士。上智大学法学部卒、大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了。プロセスワーク理論を活用した組織開発コンサルティングやエグゼクティブコーチングを行う。著書に『日本一わかりやすいマインドフルネス瞑想』、訳書にアーノルド・ミンデル著『対立の炎にとどまる――自他のあらゆる側面と向き合い、未来を共に変えるエルダーシップ』『対立を歓迎するリーダーシップ』『プロセスマインド』などがある。

舘野泰一(立教大学経営学部准教授/株式会社MIMIGURI リサーチャー)

1983年生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒業。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学後、東京大学大学総合教育研究センター特任研究員、立教大学経営学部助教を経て、現職。博士(学際情報学)。専門はリーダーシップ教育。近著に『パラドックス思考 ─ 矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる』『これからのリーダーシップ 基本・最新理論から実践事例まで(共著)』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

安斎勇樹(株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO)

1985年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。研究と実践を架橋させながら、人と組織の創造性を高めるファシリテーションの方法論について研究している。組織イノベーションの知を耕すウェブメディア「CULTIBASE」編集長を務める。主な著書に『パラドックス思考 ─ 矛盾に満ちた世界で最適な問題解決をはかる』『問いかけの作法 -チームの魅力と才能を引き出す技術』『問いのデザイン – 創造的対話のファシリテーション』『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』『ワークショップデザイン論 -創ることで学ぶ』がある。

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