デザインに“リフレクション”が必要な理由とは|CULTIBASE Radio|Design #19
デザインに“リフレクション”が必要な理由とは|CULTIBASE Radio|Design #19
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「デザインに“リフレクション”が必要な理由とは」の概要

CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radioデザインの19回目では、株式会社MIMIGURIのExperience Designer / Reflection Researcherである瀧知惠美と、同社のDesign Strategist / Researcherである小田裕和が、「デザインに“リフレクション”が必要な理由とは」をテーマにディスカッションしました。

  • 先日開催されたCULTIBASE Labのライブイベント「リフレクション概論」で講師を務めた瀧。現在リフレクションリサーチャーとしての肩書も持つ瀧は、イベントを通して、「(リフレクションとは)反省会ではなく見直しである」という点と、「過去のことを振り返りながらも、今ここで何を感じているのかを共有し、未来への志向性を持つこと」の2点が改めて重要だと感じたと述べる。
  • この視点を受けて、リフレクションはある意味創造的な行為なのだと語る小田。創造性を発揮するような実践には、リフレクションを繰り返しながら活動に臨む「省察的実践者」としての姿勢が求められるのではないか。
  • 瀧が「リフレクション」や「省察的実践」などの概念に出会ったのは社会人を経て大学院に通った時代のこと。大学院に入ってから、それまで社会人として実務の中で行っていたことが、「省察的実践」に関連していると気づいたのだと話す(こうした経緯は瀧自身によるnote記事にもまとめられている)。
  • 瀧が大学院に進んだきっかけは、それまでデザイナーとして働くうちに、行為としてのデザインの言語化に関心があったからだという。その後、より焦点を絞るかたちで、リフレクションや省察的実践に関心を持った。また、さらに遡れば、学部時代にも、自分たちの生活や取り組んでいる活動を見つめ直し、デザインとの関連に思いを巡らせるという活動に取り組んでいたこともルーツの一つだと述懐する。
  • 自身がデザインに臨む際の心構えとして、まずは自分がデザインする対象を使ってみて、そこで得た身体的な感覚を省察的に見つめ直し、活かしていく姿勢を大事にしていると瀧は語る。デザインする上では、身近な生活を見つめ直し、対象だけではなく対象と自分との関係性もメタ的に捉えることが重要であり、そのプロセスについて小田は、「デザインするプロセスをデザインする」感覚を当事者として持つことが、デザインという創造的行為にリフレクションを取り入れる意義なのではないかと語る。
  • アウトプットとしてのデザインだけに注力するのではなく、その前に行なわれるリサーチやコンセプト生成などのプロセスから関わり、自分自身をどう活かしていくかを考える。その自分自身に対するリサーチとして、リフレクションを活用することが可能なのではないかと小田は提案する。

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「デザインに“リフレクション”が必要な理由とは」の関連コンテンツ

今回の内容と関連するイベントのアーカイブ動画は下記にて公開中です。CULTIBASE Lab会員限定となりますが、現在10日間の無料キャンペーンも実施中です。このコンテンツだけ視聴して退会する形でも大丈夫ですので、関心のある方はぜひこの機会に入会をご検討ください。

リフレクション概論:暗黙知を解きほぐす理論と技法

リフレクション概論:暗黙知を解きほぐす理論と技法

出演者

小田 裕和
小田 裕和

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。

瀧 知惠美
瀧 知惠美

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学、東海大学非常勤講師。ヤフー株式会社にて複数サービスのUXデザインを担当した後、UXの社内普及のためワークショップ型の研修やUX導入から組織浸透までの実務支援を主導。UX実践を成果へ結びつけるため、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。MIMIGURIでは、UXデザイン・サービスデザインをはじめとする事業開発を中心に担当。よりよいユーザー体験につながるモノ・コトを生み出すために、つくり手の体験も重要と考え、事業開発と組織開発の組み合わせ方を実践と研究の両軸を重視しながら探究している。