リフレクション概論:暗黙知を解きほぐす理論と技法

2022.09.19/90

社会的・環境的な変化の激しい時代を迎えるにあたって、ビジネスパーソンにおける「学習」の重要性が高まっています。特に、自らが経験した出来事をふり返ることで学びを得る「リフレクション(Reflection)」と呼ばれる概念に大きな注目が集まっています。

本来は「反射」「反映」「投影」などを意味するリフレクションという言葉ですが、学習論の文脈では多くの場合「ふり返り」や「省察」といった訳が当てられます。そこからは、経験した出来事の記憶や記録などに”映し出される”自分の姿を見つめ直し、無自覚におこなっている思考の癖や行為の存在に気がつくこと。そして自身のあり様を「省みる」ことがリフレクションの本懐なのだといった思想が伺えます。

人は誰もが、無自覚のうちにさまざまな技や知識を使っています。例えば、歯磨きをするときに、わざわざその手順を思い出そうとする人はほとんどいないでしょう。リフレクションでは、そうした「暗黙知」にあえて目を向け、言語や図として表現可能な「形式知」に変換するように働きかけることで、より効率的なやり方を追求したり、他の人もうまく実践できるようなコツを伝授したり、学習に必要な土台を整えていくのです。

本イベントでは、CULTIBASEで「リフレクションの技法」を連載中の瀧知惠美(株式会社MIMIGURI リフレクションリサーチャー)が、リフレクションの基本的な理論と実践について約50分間の講義を行います。また後半以降は実際にリフレクションを実践する際のポイントを濱脇賢一(株式会社MIMIGURI コンサルタント)も交えて議論します。

経験を通じて学習を深める方法を知りたい方、なんとなく聞き覚えのあるリフレクションという概念の本質を掴み、実務に活かしたい方、不確実性の中でもチームや組織の認識を揃えながら前に進む力の生み出し方に関心のある方など、多くの人にとって実りある学びの場をお届けします。ぜひご参加ください。

登壇者

瀧知惠美(株式会社MIMIGURI リフレクションリサーチャー/エクスペリエンスデザイナー)

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学、東海大学非常勤講師。ヤフー株式会社にて複数サービスのUXデザインを担当した後、UXの社内普及のためワークショップ型の研修やUX導入から組織浸透までの実務支援を主導。UX実践を成果へ結びつけるため、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。MIMIGURIでは、UXデザイン・サービスデザインをはじめとする事業開発を中心に担当。よりよいユーザー体験につながるモノ・コトを生み出すために、つくり手の体験も重要と考え、事業開発と組織開発の組み合わせ方を実践と研究の両軸を重視しながら探究している。

濱脇賢一(株式会社MIMIGURI コンサルタント)

筑波大学理工学数学類卒。大学在学中よりコンサルタントとして独立し、創業支援や事業計画の立案、広告戦略立案や地域ブランディングに従事する。また、長期でのBPRによる業務改善、中期での経営企画部・営業部へのハンズオンコンサルティングも経験。2018年より前身であるDONGURIに入社。現在、MIMIGURIにおけるコンサルティング事業の事業長を務め、経営コンサルティングや組織デザイン・ブランド戦略の策定などのプロジェクトオーナーも努め、幅広く企業・組織・事業の成長に伴走する。

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