実践者として触発された書籍の紹介(前編)|CULTIBASE Radio|Facilitation #32
実践者として触発された書籍の紹介(前編)|CULTIBASE Radio|Facilitation #32
/約21分
Apple PodcastsSpotifyYouTube

CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radioファシリテーションの32回目では、株式会社MIMIGURIのFacilitatorである渡邉貴大と、同社のFacilitator/Art Educatorである臼井隆志と、同社のService Designerである押田一平が、「実践者として触発された書籍の紹介(前編)」をテーマにディスカッションしました。

  • 今回は2人のファシリテーターをゲストに招き、自身が実践者として強く影響を受けた書籍を紹介する。
  • 1人目のプレゼンターである臼井が紹介するのは、『わざ言語:感覚の共有を通しての「学び」へ 』。帯の文章には「誘う言葉、仕向ける言葉。学習者が指導者から学ぶべきものとは何か。それはどのような言葉で促されるのか。第一線で活躍する指導者や実践者との対談を通して、『わざ言語』が実践の場で作用する構造を明らかにする。」とある。
  • 第一線で活躍する、身体で何かを成し遂げている人は、知の継承をする際に感覚的な言葉を使うことが多い。著者はそうした言葉を「わざ言語」と名づけ、研究している。
  • まず、著者は「わざ」を「タスク」と「アチーブメント」に分類している。「アチーブメント」が状態で、「タスク」がアチーブメントに至るための行動である。優秀な指導者は、自身の感覚的な状態を、学習者の感覚上で理解できる形にチューニングした「わざ言語」を選んで伝えていると言う。
  • さらに、寄稿に「わざ」が菌のように広がる「わざ菌」という論考がある。「わざとは、わざ的な場の中で、協同的に達成される」とある。
  • 臼井はこの本を通して、ファシリテーションとは、誰かの技術によって一人で至るだけではなく、時に協同的に達する状態としても捉えられるのではないかと述べる。ファシリテーションという単語こそ出てこないが、ファシリテーターがするべきとされる行為の常識を外せる本であり、インスピレーションを与え続けていると言う。
  • 一見ファシリテーションとは関係ない書籍でも、ファシリテーションについて考える栄養源となることもある。臼井の紹介を受けてもうひとりのゲストである押田は、読んだ本とファシリテーションの営みとの近さや構造上の類似を感じて、アナロジー的に解釈を加え、深めていくことが重要だと語る。

CULTIBASE Radioは、SpotifyApple podcastYouTubeなどでも配信中!最新情報を見逃さないよう、ぜひお好きなメディアをフォロー/チャンネル登録してみてください!

【関連コンテンツ 】

今回の内容と関連するイベントのアーカイブ動画は下記にて公開中です。CULTIBASE Lab会員限定となりますが、現在10日間の無料キャンペーンも実施中です。関心のある方はぜひこの機会に入会をご検討ください。

ファシリテーションの鍛え方:創造的対話を支えるコアスキルの体系

ファシリテーションの鍛え方:創造的対話を支えるコアスキルの体系

出演者

臼井 隆志
臼井 隆志

学生時代から現代美術家や劇作家らと協同し、幼児から中高生、大人までが関わるアートプロジェクトのプロデュース、ファシリテーションを担ってきた。MIMIGURIでは主にワークショップを通じた組織文化開発や人材育成の教材開発を担当している。

渡邉 貴大
渡邉 貴大

ファシリテーター

早稲田大学商学部卒業。規模/業態の異なる複数の組織において、人事やコンサルタントとして業務に従事。チェンジ・エージェントとして組織変革のファシリテーションを実践してきた。MIMIGURIでは個人と組織が自らの「story writer」となり、自分や自分たちの物語を紡ぐ機会を演出する組織・事業開発、イノベーションプロジェクトのPMとファシリテーションを担当している。