覚醒を焦るな!健全な成長と育成のペースとは?|CULTIBASE Radio|Management #57
覚醒を焦るな!健全な成長と育成のペースとは?|CULTIBASE Radio|Management #57
/約20分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの57回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「覚醒を焦るな!健全な成長と育成のペースとは?」をテーマにディスカッションしました。

  • これまで2回連続で『人材の覚醒』シリーズでは 、「覚醒とは一体何で、どう引き起こせるのか」ということを確認してきた。一方で、覚醒は、頻繁には起こせないし、頻繁に起こすことを目的にすべきものでもない。実際のところ、「覚醒」はどのような頻度で起きるものだと思っていればいいのだろうか?
  • 以前取り上げた「SECIモデル」や「アジャイル型開発」を考えると気づくのが、いずれも個々人が暗黙知を貯めることがスタート地点となっているということだ。そして、ミナベ曰く「経験上、暗黙知は3ヶ月くらいで形成される」という。
  • アジャイルでは、1サイクルを1~2週間で回していくが、毎サイクルで「目的から考え直してみよう」と前提を壊そうとする必要はない。むしろ、個々人が目の前の技術を数%向上させようとする「シングルループ学習」があってこそ、「ダブルループ学習」の循環が生まれる。目の前のHOWを地道に磨きつつ、一方でそれだけに閉じないことが重要なのだ。
  • 覚醒には、ふつう3〜5年、長い人では10年程度かかるものだ。育成を担当する人もそれを理解し、中長期視点で環境を用意したり機会提供を行う必要がある。この視点がないと「ひたすら崖から落とす」だけの人材育成になってしまいかねないからだ。
  • まれに、同時にダブルループ学習を行うことができ、毎日のように大きく変化する人がいるが、そのような人の割合は非常に小さい。ほとんどの人は、ダブルループ学習の2つのサイクルをキャリアを通して交互に行う。組織の仕組みは、後者のような人にフォーカスを当て、3~5年で覚醒するような設計であるほうが望ましいと言える。

出演者

ミナベ トモミ
ミナベ トモミ

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。
https://x.com/tomomiminabe
https://note.com/tomomina/

安斎 勇樹
安斎 勇樹

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

https://x.com/YukiAnzai
https://note.com/yuki_anzai
https://voicy.jp/channel/4331
http://yukianzai.com/

ミナベ トモミ
ミナベ トモミ
安斎 勇樹
安斎 勇樹