マネジメントの3階層と、それぞれの勘所と課題|CULTIBASE Radio|Management #75
マネジメントの3階層と、それぞれの勘所と課題|CULTIBASE Radio|Management #75
/約22分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの75回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「マネジメントの3階層と、それぞれの勘所と課題」をテーマにディスカッションしました。

  • マネジメントの理論に、マネジメントを「ロワー」「ミドル」「トップ」という3階層に分類して説明する、カッツモデルというものがある。現代のマネジメントはこの3階層にくっきり分かれているわけではないが、1つの理解の方法として有効だとミナベは言う。
  • それぞれ、ロワーマネジメントは再現性をもって目標を達成するための業務管理、ミドルマネジメントは戦略を実行するための意思決定、トップマネジメントはメンバーが自在に探索・深化を行えるための外部環境を踏まえた戦略設計が主な仕事だ。
  • 同じマネジメントではあるが、内容は全くの別物。ロワーとミドル、ミドルとトップの間にはそれぞれ大きな壁がある。
  • 例えば、セールスなどKPIがしっかり決まっているような組織でのマネジメントはロワー要素が強い。しかし、それを認識しないまま、転職の際などにセールス組織マネージャーが「マネジメントできます」と言ってしまうと、期待誤差が生まれる場合もある。
  • また、ロワーマネジメントを経験しないままミドルマネジメントを担う場合も問題が発生する。ミドルマネジメントは対話に長けているため業務管理で解決できる問題もすべて対話で解決しようとしてしまい、組織として原始的なあり方になってしまうのだ。
  • ミドルマネジメントに長けた人がトップマネジメントに移行する際にも、大きな困難が生じる。ミドルマネジメントは、すでにTo-Be(理想)がある状態で対話的に物事を進めることに慣れている。しかし、トップマネジメントで求められるのは、外部環境を見つめ「我々はこうすべきである」と提示していくことだ。このプロセスでは、まず自分の手で描き、それから周りの共感をいかに得られるか、が大切であり、対話は最重要ではない。
  • 次の階層に上がろうとするマネジメント経験者は、それぞれすでに既存の階層での成功体験があり、「探索」よりは「深化」の態度が強い場合が多い。1つ階層が上がれば、マネジメントの内容は別物となる。成功体験に引きこもらず、「いまから未踏の地に行くのだ」という意識を持つことが大切だ。

出演者

ミナベ トモミ
ミナベ トモミ

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。
https://x.com/tomomiminabe
https://note.com/tomomina/

安斎 勇樹
安斎 勇樹

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

https://x.com/YukiAnzai
https://note.com/yuki_anzai
https://voicy.jp/channel/4331
http://yukianzai.com/

ミナベ トモミ
ミナベ トモミ
安斎 勇樹
安斎 勇樹