“個人の両利き”を実現する鍵はリフレクションにあり?|CULTIBASE Radio|Management #52
“個人の両利き”を実現する鍵はリフレクションにあり?|CULTIBASE Radio|Management #52
/約23分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの52回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「“個人の両利き”を実現する鍵はリフレクションにあり?」をテーマにディスカッションしました。

  • 先日、師匠にあたる山内先生にCULTIBASE Labにお越しいただきディスカッションをした安斎(学習環境のイノベーション:”両利きのデザイン”は可能か?)。その際、「個人の両利き(探索と深化)の両立は可能か?」というトピックで意見がわかれた。
  • このトピックに対するミナベの見解は「実現可能だが、難しい」というもの。ただし、両利きが実現されているような人は「なろうとしてなる」というより、アジャイル型の環境が浸透した結果、「なるべくしてなる」という人が多いのだという。
  • 従来の日本企業の組織体系である「ウォーターフォール型」では、メンバーはトップの決めた目標実現のために機械的な機能を求められる。これは、両利きでいう「深化」に特化していくことに当たる。
  • 一方で、アジャイル型にはその実行の勘所として、「『私はこういうところを突き詰めたい』と『チームとしてこの課題を解決したい』が釣り合う仮説を見つける」というものがある。
  • これこそが、個人の両利きの両立において重要である。その仮説を見つけるには、個人の内発的動機が可視化されやすいようなルーティーンやコミュニケーション機会があるだけではなく、同様に、チームで一番解決したい課題について考える機会もある、という状態が必要だからだ。両利きで言えば、前者が探索、後者が深化に当たる。
  • また、もう1つの大切なポイントが、「振り返り」である。一番最初の仮説は、必ず間違っている。そこで振り返りを「個人の内発的動機が発揮されているか」と「課題が解決されているか」の2つの視点から行うことで、仮説がブラッシュアップされ、チームの言語もハイコンテクストになっていくのだ。
  • よくあるバッドパターンには、振り返りのトピックを「課題が解決されているか」だけに絞ってしまうという状態がある。そうすると、チーム内で一番ロジックを発揮できるメンバーだけが頻繁に発言するようになり、他のメンバーの探究が阻害されてしまいがちになる。
  • そういう意味で、PdMは、チームの学習を促すファシリテーターでいなければならないということにもなるのではないだろうか?

出演者

ミナベ トモミ
ミナベ トモミ

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。
https://x.com/tomomiminabe
https://note.com/tomomina/

安斎 勇樹
安斎 勇樹

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

https://x.com/YukiAnzai
https://note.com/yuki_anzai
https://voicy.jp/channel/4331
http://yukianzai.com/