すべては1人から始まる:私たちの創造的な“らしさ”はどこからやってくるのか?

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約103分

2/11(土)に開催した「すべては1人から始まる:私たちの創造的な“らしさ”はどこからやってくるのか?」のアーカイブ動画です。本イベントは、2022年10月に出版された『すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』(原題:Work With Source)の翻訳監修を務めた山田裕嗣さん(株式会社令三社 代表取締役) をゲストにお呼びし、同書で提唱された「ソース原理」を切り口に個や組織の創造性について考えました。

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「すべては1人から始まる:私たちの創造的な“らしさ”はどこからやってくるのか?」のチャプター

10:40 チェックイン:あなたが「らしさ」を感じる企業や組織は?
18:59 話題提供:ソース原理とは
26:20 ソース原理が生まれた背景:そのものは組織論・マネジメント論ではない
38:31 ソース原理で抑えるべきポイント
48:20 イニシアチブに序列がある
57:33 ソースとサブソースは内包関係にすべし
01:06:21 レンズとしてのソース原理
1:31:59 CULTIBASE Schoolの紹介

「すべては1人から始まる:私たちの創造的な“らしさ”はどこからやってくるのか?」のポイント

  • 昨今、「自分らしさ」「会社らしさ」というようにプライベートでも職場でも日々様々な”らしさ”に直面する。イベント冒頭では、創造性につながる”らしさ”とはどのようなものか、組織における”らしさ”はどのように形作られるのか、という問題提起がなされた。
  • まず個や組織の創造性を捉える新たな”レンズ”として、「ソース原理」が紹介された。ソースとは、その「創造活動」の源になっている「1人」の特別な存在だと山田は語る。「ソースたる人は、まだ存在していない未来を思い描き、それを現実化させる人間の素晴らしい力(本書ではこの力を「創造力」と呼ぶ)を発揮する」という一文がソース原理を端的に表しているという。また、アイデアが実現に向かう一連の活動や営みは「イニシアチブ」と表現される。
  • ソース原理そのものは、組織論やマネジメント論のように組織に焦点を当てたものではなく、あくまで個人の創造活動に焦点を当てたものだと前置きした上で、ソース原理の理解に欠かせない前提を続けて紹介した。
  • ソース原理は誰しもが「人生のソース」であるとの前提がある。全ての人は自分が創造したいものを源として持っており、リーダーシップの有無や、創業者、リーダーといった特定の誰かだけのものではないとする。
  • また、創造的な営みの原点として、ソースはただ一人ではあるが、イニシアチブを部分的に引き受ける人も現れる。例えば、何かのプロジェクトを始める発起人(ソース)がいて、部分的に引き受けるサブソースがいた時に、そこには自然に秩序が生まれると山田は語る。
  • 続いて、ソース原理と組織の関係性に話題が移った。組織を捉えるレンズはティール組織、学習する組織、場所的経営など様々あるが、ソース原理というレンズは組織そのものというよりも組織における創造プロセスやイニシアチブの解像度を上げることができると山田は語る。CCMとソース原理の違いとしては、CCMが組織を前提にし組織における創造性について解こうとするレンズだとするとソース原理は個の創造プロセスに焦点を当てるレンズだと指摘する。
  • 冒頭の問いである創造性に寄与する”らしさ”の源にはおそらくソースがあるものの、特に大企業などの大きな組織では誰がソースかが曖昧なまま私達らしさが否定されているような感覚があるのではないかと小田は指摘し、ソースを継承する際に後任者がソースとして振る舞うのが難しいと語る。
  • 山田はソース原理の視点で組織を考える際、創業者に「なぜ創業したのか」を聞くとソースがどこにあり、どのようなものなのかがわかりやすいと語る。大企業でも創業者を盲目的にトレースするのではなく、創業時の話や、創業者が何を大事にしていたかに目を向けることが必要だと主張した。

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出演者

田幡 祐斤
田幡 祐斤

東京農工大学農学部卒業。奈良県立大学地域創造研究センター共同研究員。アパレル企業での販売/店舗マネジメント、研修会社でのコンサルティング/コンテンツ開発などの業務に従事後、2019年に前身であるミミクリデザインに参画。生態学、環境倫理学、文化人類学、教育学、心理学などを基に「人間にとっての自然さ(の回復)」を探究しながら、事業開発や組織開発のプロジェクトのファシリテーション及びその方法論の開発を行っている。元来、人間以外の生物が好き

小田 裕和
小田 裕和

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。

山田 裕嗣
山田 裕嗣

株式会社令三社 代表取締役/ 『すべては1人から始まる』(英治出版)翻訳監修

人材育成・組織開発のコンサルティング、大手ITベンチャーのHRを経て、2012年よりBtoB SaaSの株式会社サイカの創業に参画、代表取締役COOを務める。2017年に独立し、上場を目指すベンチャー企業の組織戦略の立案・実行、大企業の人材育成や新規事業の立ち上げ等を支援。2021年10月に株式会社令三社を設立、代表取締役に就任。ティール組織・自己組織化などに関する国内外の有識者との議論や、新しい組織運営を目指す企業のサポートを手掛ける。『すべては1人から始まる』(英治出版)を令三社のメンバー3人にて翻訳・監修。