デザイナーの思考の癖を「アブダクション」で説明する|CULTIBASE Radio|Design #3
デザイナーの思考の癖を「アブダクション」で説明する|CULTIBASE Radio|Design #3
/約18分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio デザインの3回目では、株式会社MIMIGURIの小田裕和と瀧知惠美が、「デザイナーの思考の癖を「アブダクション」で説明する」をテーマにディスカッションしました。

  • 難しく捉えられがちな「アブダクション」。しかし、これは実は私たちの日常にあふれているもので、演繹、帰納と合わせて「推論」と呼ばれる人間の思考過程の1つ。
  • では、アブダクションとはなんだろう?例えば、よく陽が照っている日に、子供が学校からちょっと肌を赤くして帰ってきたとする。このとき、それが確実な根拠ではないにせよ、私たちは「もしかして、どこかで寄り道したのかな?」と考える。これが仮説推論(アブダクション)である。文字通り、仮説を見出したり、新しい発見のきっかけを作ったりすると言われている。
  • デザイナーで言えば、「こういうふうにしたら面白いのでは?」や「どうなるかわからないけど、とりあえず手を動かしてみよう」などと、ロジカルではないが、デザイン対象についてどこか“気になる”部分を見つけるという過程が、アブダクションそのものである。
  • 他にも、「これが食べたい!」という気持ちはロジカルに説明することができない。きっとその発言の裏では無意識のうちに、最近食べたものや、今目の前にある選択肢、最近食べていないものなどを思い返しているはずだ。これもアブダクションである。
  • では、アブダクションとデザインはどう関連するのだろうか?次回をお楽しみに!

出演者

小田 裕和
小田 裕和

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。

瀧 知惠美
瀧 知惠美

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学、東海大学非常勤講師。ヤフー株式会社にて複数サービスのUXデザインを担当した後、UXの社内普及のためワークショップ型の研修やUX導入から組織浸透までの実務支援を主導。UX実践を成果へ結びつけるため、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。MIMIGURIでは、UXデザイン・サービスデザインをはじめとする事業開発を中心に担当。よりよいユーザー体験につながるモノ・コトを生み出すために、つくり手の体験も重要と考え、事業開発と組織開発の組み合わせ方を実践と研究の両軸を重視しながら探究している。