デザイナーは大学院の研究室で何を学ぶのか?|CULTIBASE Radio|Design #11
デザイナーは大学院の研究室で何を学ぶのか?|CULTIBASE Radio|Design #11
/約19分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio デザインの11回目では、株式会社 MIMIGURIの小田裕和と瀧知惠美が、「デザイナーは大学院の研究室で何を学ぶのか?」をテーマにディスカッションしました。

  • 10月23日(土)に開催されるCULTIBASE Labのイベント『「デザインの時代」はいつ終わるのか?:教育から考えるデザインのこれから』では、師匠である長尾先生と登壇する小田。今回のラジオでは、その下準備として小田の学生時代を紐解いていく。
  • 「ノンジャンルだった」と小田が語る長尾研は、当時多くの学生が所属し、様々なプロジェクトをやっている衝動あふれる環境だったという。小田もその一員として、ちいさなものも含めると50〜60程度のプロジェクトに関わることになる。
  • 1つの提案だけでステークホルダー全員を納得させられることはほとんどないこと、「自分の専門領域はここまでだから」という姿勢ではプロジェクトが前に進まないことなど、学んだことは多い。
  • また、プロジェクトが始まるとその度に新しい領域に踏み込むため、1から学ぶことが多くなる。例えば、小田の後輩が携わっていた医療器具をリデザインするプロジェクトでは、どこに力がかかっているのか測定するために圧力センサーを買ってくるところから、試運転用の“模擬骨”を自分たちで作るところまで、すべてが学びと決断の連続だ。
  • デザイン教育は、今転換期にある。みんながデザインできるようになった「デザインの時代」の先で、なにが大切になるのだろうか。イベントでは、変化していく手法に対して場当たり的に合わせるのではなく「デザインの本質とは何か」と考えるところから、デザイン教育を逆算したい。

出演者

瀧 知惠美
瀧 知惠美

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学、東海大学非常勤講師。ヤフー株式会社にて複数サービスのUXデザインを担当した後、UXの社内普及のためワークショップ型の研修やUX導入から組織浸透までの実務支援を主導。UX実践を成果へ結びつけるため、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。MIMIGURIでは、UXデザイン・サービスデザインをはじめとする事業開発を中心に担当。よりよいユーザー体験につながるモノ・コトを生み出すために、つくり手の体験も重要と考え、事業開発と組織開発の組み合わせ方を実践と研究の両軸を重視しながら探究している。

小田 裕和
小田 裕和

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。