「予期せぬ使われ方」を許容するサービスデザインの勘所|CULTIBASE Radio|Design #12
「予期せぬ使われ方」を許容するサービスデザインの勘所|CULTIBASE Radio|Design #12
/約14分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio デザインの12回目では、株式会社 MIMIGURIの小田裕和と瀧知惠美が、「「予期せぬ使われ方」を許容するサービスデザインの勘所」をテーマにディスカッションしました。

  • 今週末のイベント「事業・サービスが組織に根付くためのデザインとは?:持続的な価値共創のためのシステムデザイン」では、山口大学 国際総合科学部 准教授・坂口和敏さんと一緒に登壇する瀧。今回のデザインラジオでは、その予習として変化に柔軟なサービスデザインの在り方を考えていく。
  • 作る人だけではなく、使う人や運営する人など、サービスに携わる関係者を包括的に捉えることが重要だと言う瀧。これはサービスデザインの根本とも言われる「共創」「協働」にもつながる。
  • サービスを、「こういう体験ができますよ」というパッケージとしてだけではなく、関係者が喜ぶような営みとして捉えることが重要だ。逆に、提供者側だけの視点でデザインすると、サービスが想定通りに使われないことが多々生まれてしまうことになる。
  • そもそも変化が苦手だと言われる日本。サービスデザインでも予期しない使われ方への許容度が比較的低いと感じられることも多いが、サービスが世に出てどう変化するかは実際のところ未知数だ。中長期的計画を立てる際にも、予期せぬ使われ方を許容できるような余裕をもつことが重要となる。
  • アジャイルが開発プロセスの主流になりつつある現状。そこに「予期せぬ使われ方」の観点も含めて、短いスパンの仮設検証プロセスに組み込めるようになると良い。また、組織内では、KPIにとらわれすぎず、現状観察の指標として柔軟に議論し変化させることが重要となる。

イベント開催のお知らせ

企業におけるサービスデザインの事例におけるよくある落とし穴の一つに、「サービスと組織がうまくフィットしない」問題が挙げられます。サービスが持続的に運用されていくためにはどのような観点が必要なのでしょうか?本イベントでは、ゲストに山口大学 国際総合科学部 准教授・坂口和敏さんをお招きし、MIMIGURIの瀧知惠美とともに、「事業・サービスとその基盤となる組織を結びつけるデザイン」について探究します。11月6日(土)10:00-11:30開催です。

事業・サービスが組織に根付くためのデザインとは?:持続的な価値共創のためのシステムデザイン

事業・サービスが組織に根付くためのデザインとは?:持続的な価値共創のためのシステムデザイン

出演者

瀧 知惠美
瀧 知惠美

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。東京藝術大学デザイン科修士課程修了。多摩美術大学、東海大学非常勤講師。ヤフー株式会社にて複数サービスのUXデザインを担当した後、UXの社内普及のためワークショップ型の研修やUX導入から組織浸透までの実務支援を主導。UX実践を成果へ結びつけるため、チームづくりのためのふり返りの対話の場づくりの実践および研究を行う。MIMIGURIでは、UXデザイン・サービスデザインをはじめとする事業開発を中心に担当。よりよいユーザー体験につながるモノ・コトを生み出すために、つくり手の体験も重要と考え、事業開発と組織開発の組み合わせ方を実践と研究の両軸を重視しながら探究している。

小田 裕和
小田 裕和

千葉工業大学工学部デザイン科学科卒。千葉工業大学大学院工学研究科工学専攻博士課程修了。博士(工学)。デザインにまつわる知を起点に、新たな価値を創り出すための方法論や、そのための教育や組織のあり方について研究を行っている。特定の領域の専門知よりも、横断的な複合知を扱う必要があるようなプロジェクトを得意とし、事業開発から組織開発まで、幅広い案件のコンサルテーション、ファシリテーションを担当する。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)がある。