「想定外。だから楽しい」偶然性を愛するファシリテーションの醍醐味とは|CULTIBASE Radio|Facilitation #11
「想定外。だから楽しい」偶然性を愛するファシリテーションの醍醐味とは|CULTIBASE Radio|Facilitation #11
/約19分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio ファシリテーションの11回目では、株式会社MIMIGURIの和泉裕之と田幡祐斤が、「「想定外。だから楽しい」偶然性を愛するファシリテーションの醍醐味とは」をテーマにディスカッションしました。

  • 前回は「「道具と対話する」環境変化を乗り越えるためのブリコラージュ」をテーマにお届けをした。そこでは昨年、MIMIGURIがオンライン環境に比較的素早く適応できた要因としてブリコラージュの視点を挙げたが、今回はその点をもう少し深掘りし、ブリコラージュを促進するファシリテーションとは何か、考えてみたい。
  • ワークショップでは「エポケー(判断留保)」と「参加者と一緒に没入すること」を大切にしているという田幡。「コップってこういうものだよね、〇〇さんってこういう人だよね」という日常的な意味づけを傍に置きつつ、その場の状況から新たに出てくるアイデア・可能性を一緒に楽しむスタイルだ。
  • 事前のシミュレーション段階では、“こうすべき”などと必然性の論理でプログラムを組んでいるもの。しかし、だからこそ当日は「今ここだからこそ」「私たちだからこそ」という要素、つまり偶然性を大切にする。必然性と偶然性、どちらの要素が欠けてもよい収束には至らない。
  • とはいえ、一般的に「想定外」はネガティブに受け取られがちなもの。ファシリテーターとして想定外や偶然性を楽しめるようになるにはどのようなマインドセット・経験が大切なのだろうか?
  • エポケー(判断留保)はファシリテーターの重要なスキルの1つだが、それは「想定外を楽しめないとできないのではないか」と田幡は言う。なぜなら自分の意味づけの前提となっている土台に気付けたとしても、想定外を恐れているとそこから外れることを無意識に躊躇してしまうからだ。
  • そんな人は、自分の人生を振り返ってみてほしい。なにか想定外な出来事が起きたとき、確かにその瞬間はネガティブな感情を抱いたかもしれない。しかし、それがターニングポイントになってなにかポジティブな出来事につながっていないだろうか?そうではなくとも、今の状況はそういう想定外の上に積み上がっているものではないだろうか?想定外が怖い人にとっても、すでに「想定外」はあなたのすぐ側にいる存在なのだ。

イベント開催のお知らせ

オンラインという新たな“場”を得たことで、大きな拡張可能性が見えてきたワークショップ。一方でオンライン下だからこそ起こりがちな落とし穴も多数存在することがわかってきました。株式会社MIMIGURIで複数のクライアント案件でオンライン・ワークショップを活用してきた田幡祐斤と淺田史音をスピーカーとし、実践における基本的なポイントや、新たな可能性と落とし穴について、講義と事例解説、ディスカッションを行います。11月13日(土) 10:00-11:30開催です。

オンライン・ワークショップ実践入門:「学習と創造の場づくり」におけるオンラインツールの可能性

オンライン・ワークショップ実践入門:「学習と創造の場づくり」におけるオンラインツールの可能性

出演者

田幡 祐斤
田幡 祐斤

東京農工大学農学部卒業。奈良県立大学地域創造研究センター共同研究員。アパレル企業での販売/店舗マネジメント、研修会社でのコンサルティング/コンテンツ開発などの業務に従事後、2019年に前身であるミミクリデザインに参画。生態学、環境倫理学、文化人類学、教育学、心理学などを基に「人間にとっての自然さ(の回復)」を探究しながら、事業開発や組織開発のプロジェクトのファシリテーション及びその方法論の開発を行っている。元来、人間以外の生物が好き

和泉 裕之
和泉 裕之

日本赤十字看護大学卒業。在学時から「対話(dialogue)」という物事への意味付けに着目したコミュニケーション手法に関心を持ち、ワールドカフェやOSTなどの対話の場作りを多数実践。卒業後はフリーランスファシリテーターとして4年間の武者修行を経験した後、株式会社ミミクリデザインの立ち上げに参画。少人数〜数万人規模の組織にて、組織理念のデザインや浸透(自分ごと化)を対話型ワークショップで支援するコンサルティング業務に従事。現在は専任の組織人事として社内の組織開発/人材育成を担当している。