なぜ組織に“分断”が生まれるのか?

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約52分

組織をつくる

#組織文化
#ナレッジマネジメント
#組織デザイン
#ファシリテーション論
東南 裕美
東南 裕美

7/18(火)に開催した古今東南アノテート「なぜ組織に“分断”が生まれるのか?」のアーカイブ動画です。本イベントでは、東南裕美(株式会社MIMIGURIリサーチャー)が組織論に関する、今注目すべき文献として書籍『フォールトライン: 組織の分断回避へのアプローチ』(白桃書房)を取り上げ、組織内で分断線(フォールトライン)が引かれてしまうメカニズムや、分断との向き合い方について解説しました。

チャットログはこちら

「なぜ組織に“分断”が生まれるのか?」のチャプター

02:33 本日の文献
09:41 組織を分断する課題の例
12:57 サブグループの定義
20:23 フォールトラインとはなにか
29:26 フォールトラインのメカニズム
33:16 深い分断をうまないようファシリテートするには?
42:55 過去のイベントとの関連性

「なぜ組織に“分断”が生まれるのか?」のポイント

  • 今回は「なぜ組織に分断が生まれるのか」というテーマで、職場の人間関係の亀裂を避けいきいきと働くための方策について書かれた書籍『フォールトライン: 組織の分断回避へのアプローチ』(白桃書房)を取り上げた。
  • 本書を取り上げた理由として、東南は「フォールトライン」は多様性や組織開発の先行研究と繋がる新しい概念と捉えられると語り、組織開発を実践する上で集団を見るために知っておくとよいレンズになると述べる。また、MIMIGURI内で創造的な組織には適度なまばらさが必要なのではないかとの話になったことを例に取り、本書で書かれている「多様性が進むとサブグループ化が進む」という話がヒントになりそうだと感じたと語った。
  • 同じミッションを持ったチームや部署でも意見が対立してその結果分断が生まれてしまうことがある。そうした分断は、例えば年齢や職種といった属性で自然発生的に生まれることがある。このように、外から規定されたものではなく自然発生的にワークスチームのメンバーの一部から生まれ、かつ成員間に、集団内の他の成員間とは別の独自の相互依存性がある集団がサブグループと定義される。
  • サブグループは、対立や対立から生じるパフォーマンス悪化のようなマイナス面が強調されがちだが、サブグループのお陰で意見を出しやすくなったり多様な視点が生かされるといったプラス面もある。
  • フォールトラインは、1つの集団を1以上の属性に基づいてサブグループに分割する仮説的な分断線と定義される。フォールトラインのもととなる属性は、人口統計学的属性、タスク関連属性、その他(性格、座席の位置、地理、能力等)が挙げられる。これらの概念を踏まえ、今回の問いである「なぜ組織に分断が生まれるのか」に立ち戻ると、集団の中には、もともと見えない分断線であるフォールトラインが形成されているためだと言えると東南は語る。
  • サブグループは、フォールトラインが顕在化することで発生する。特に集団の多様性が高まるとフォールトラインは顕著になりコンフリクト発生につながると指摘する。
  • しかし、フォールトラインそのものを無くすことは困難である。深い分断を生まないようファシリテートするには、集団の中に”分断線を引き直す”ことが必要だと語る。とはいえ、ただ引き直すだけではサブグループ同士が接触しステレオタイプを助長する可能性がある。そのため、引き直した分断線から共通点を持つ人同士の「コミュニティ」をつくるイメージで設計することがポイントだと主張する。
  • 東南は、過去に開催されたイベント『“リーダーシップ“を再定義する:対立する集団にどのように向き合うか?』を振り返り、ランクの概念も参照しながら「分断線を引き直す」ことは、矛盾した状態をぬるっと共存させることに近いのではないかと語った。また、『多様性がもたらす”弊害”にいかに向き合うか:組織開発によるアプローチ』も紹介し、同じ集団での統合を行うのではなく、別の集団として統合することで、分断線引き直せるのではないかと述べた。

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出演者

東南 裕美
東南 裕美

リサーチャー / ファシリテーター

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士前期課程修了。立教大学大学院経営学研究科博士後期課程在籍。人と組織の学習・変容に興味を持ち、組織開発が集団の創造性発揮をもたらすプロセスについて研究を行っている。共著に『M&A後の組織・職場づくり入門:「人と組織」にフォーカスした企業合併をいかに進めるか』がある。