「良い取り組みなのに、なぜか人が集まらない」
「メンバーの熱量に温度差がある」
プロジェクトや組織を運営する中で、そんな壁にぶつかったことはないでしょうか。多様な価値観が混在する現代において、かつての「強いリーダーシップ」だけでは、人の心を動かし続けることは難しくなっています。では、関わる一人ひとりが自律的に動き出し、自然と熱が伝播する場所は、どのようにデザインしていくべきでしょうか。
今回もお話を伺ったのは、社会課題を解決するソーシャルビジネスの最前線で、TABLE FOR TWOなどの多くのコミュニティを牽引し、育ててきた安東さんです。安東さんの活動の特徴は、常に「主役は現場である」という徹底した黒子の視点があります。自らが旗を振り、人々を牽引するのではなく、多様な人や想いが集まる場を整えることで、大きなムーブメントを生み出しています。
そんな安東さんは、コミュニティの熱量を維持し、広げていくためには3つの「技法」があると語ります。
- We(私たち)のレイヤー構造熱狂的なコア層、伴走するサポーター層、遠くから見守るファン層など、全員に同じ熱量を求めない「グラデーション」を設ける
- アンバサダーという「第三者の声」運営が語る正論よりも、活動に共感している「第三者の声」が人を動かす。
- 誠実な境界線何でも受け入れることが正解ではない。ビジョンを守るために「断る」ことが、結果としてコミュニティの信頼を守る。
安東さんは、ソーシャルイノベーション研究者である金子郁容氏の言葉を借り、「リーダーは『編集者』であれ」と語ります。編集者が自らペンを執りすぎず、素材の良さを引き出すように、リーダーもまた「参加の仕方」を決めすぎないという選択が必要なのかもしれません。編集が生み出す「余白」にこそ、多様な個性が重なり合い、社会を動かすムーブメントが生み出されるのです
参考文献
- 金子郁容(1992)『ボランティア もうひとつの情報社会』岩波書店.
チャプター
00:00:34 前回『心を動かす「巻き込み」のデザイン』のおさらい
00:01:04 リーダーは「編集者*」であれ
00:05:37 技法A 「We(私たち)」のレイヤー構造
00:11:44 技法B アンバサダーという「第三者の声」
00:15:56 技法C 誠実な境界線
00:20:44 共創の3原則/3技法の振り返り&今後の展望



