マネジメントの悩みの種、「年下上司」×「年上部下」問題の本質とは?|CULTIBASE Radio #64

マネジメントの悩みの種、「年下上司」×「年上部下」問題の本質とは?|CULTIBASE Radio #64

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CULTIBASE Radioは、これからの時代の「人」と「組織」のマネジメントの実践論を探究していく番組です。株式会社MIMIGURIの共同代表、安斎勇樹とミナベトモミが、パーソナリティを務めます。今回のテーマは「マネジメント」です。

「マネジメントの悩みの種、『年下上司』×『年上部下』問題の本質とは?」の概要

年下上司と年上部下という関係は、近年の組織において増加傾向にある複雑な課題です。2023年の調査によれば、この関係に該当する人は全体の約21%にのぼり、珍しいケースではありません。しかし、「上司は年上であるべき」という固定観念が根強く、現場での具体的な解決策はまだ十分に議論されていないのが現状です。

理想的な関係性では、互いの立場を尊重し、経験と知見を活かし合うことが求められます。しかし実際には、「年上部下はチームの模範であるべき」といった暗黙の期待があり、それに応えられなくなると関係性に歪みが生じます。年下上司がフォローしようとしても、過度な配慮はかえって年上部下の自尊心や自己効力感を損ねてしまい、両者が関係のバランスを崩す「パラドックス」に陥るのです。

こうした状況においては、いくつかの視点が有効です。まず、1つ目は年上部下は自身の機嫌を意識的に管理する姿勢。上司が年上部下の機嫌を取ることは逆効果になる場合が多く、自律的な感情コントロールが求められます。一方で年下上司は、年上部下のムードメーカー的役割や存在感を正当に評価し、単なる成果以外の貢献にも目を向けることが大切です。

2点目は、ケアの質です。年下の部下と同じような個別の手厚い対応は、年上部下にとってかえって居心地が悪くなることがあります。むしろ、年下上司自身がパフォーマンスを発揮し、チームの流れを作ることで年上部下が自然に参加できる環境づくりが有効です。

3点目は、年齢以外の評価軸を明確にし、年下上司がその立場にある理由をチーム内で共有すること。年齢ではなくスキルや実績での信頼構築が、関係性の安定につながります。他には、メンター制度を導入し、年上部下が信頼できる人生の先輩と話せる場を持つことで、悩みの緩和や自己再定義の支援になります。この関係性は、年齢だけでなく、個人のプライドや文化、評価制度など多くの要素が絡むため、今後も多角的な視点からのアプローチが求められるでしょう。

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