CULTIBASE Radioは、これからの時代の「人」と「組織」のマネジメントの実践論を探究していく番組です。株式会社MIMIGURIの共同代表、安斎勇樹とミナベトモミが、パーソナリティを務めます。今回のテーマは「リーダーシップ」です。
お知らせ

このたび「読者が選ぶビジネス書グランプリ2026」に、安斎勇樹 著『冒険する組織のつくりかた 』が「マネジメント部門」にノミネートされました!
新時代の組織づくりとして冒険的世界観を提唱する「冒険する組織のつくりかた」に、ぜひ投票をお願いいたします!投票は、無記名(メールアドレス+所属は個人でも可)、1分程で完了します。
▷投票はこちらから https://entry.business-book.jp/entry/list
「『なんとかリーダーシップ』ありすぎ問題」の概要
ミナベが執筆中の書籍のテーマであるリーダーシップ論を手がかりに、二人が「リーダーシップとは何か」「組織にリーダーシップがどう存在するべきか」を話しました。ミナベは、世の中には「○○リーダーシップ」という概念が多すぎて、結局どれを指しているのかが曖昧になっていると感じており、その整理方法を模索していると語ります。
そこで紹介されるのが、研究者ブルース・アボーリオが提示した「リーダー・フォロワー・コンテクスト(状況)」という三角形モデルです。リーダーの資質だけでなく、フォロワーの姿勢、さらには置かれた状況がそろわなければリーダーシップは成立せず、この三者が相互作用して初めて機能するという考え方です。安斎は、この視点によって「リーダーシップは個人の属性ではなく関係性である」ことが明確になると説明します。

三角形がチーム内で循環することで、リーダーの役割が固定化されず、メンバー全員が状況に応じてリーダーとなる「共有型(シェアド)リーダーシップ」の状態が生まれると語られます。また、組織内に複数の三角形が存在し、チームごとに自律的なリーダーシップが発揮されている状態を「分散型リーダーシップ」と位置づけ、現代の複雑な組織に適した形であると整理。
しかし一方で、独裁的なリーダー、盲目的なフォロワー、閉塞したコンテクストが重なると「トキシック・トライアングル」と呼ばれる危険な構造になり、組織崩壊を招く可能性がある点にも触れられます。
ミナベは、三角形モデルをただ分類しても実践にはつながりにくいのではないかと疑問を提示。そのうえで、「探究の三角錐」の概念と結びつけることで、より意味のあるリーダーシップ論になるのではないかと語ります。探究の三角錐とは、人と人を直接つなぐのではなく、共通の探究テーマという“もう一つの頂点”を介して関係を構築するという考え方です。ミナベは、リーダー・フォロワー・コンテクストに「探究」という視点を加えることで、単なる役割論を超えて、組織がどこに向かうのかという方向性を共有できるのではないかと提案。
最終的に二人は、リーダーシップを「関係性×探究」として捉え直すことで、概念に振り回されない実践的な組織づくりが可能になるのではないかと締めくくりました。
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