なぜ組織の定石を無視したのか|CULTIBASE Radio|Management #42
なぜ組織の定石を無視したのか|CULTIBASE Radio|Management #42
/約13分
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CULTIBASE Radioは、人やチームの創造性を高める知見を音声でお届けします。 CULTIBASE Radio マネジメントの42回目では、CULTIBASE編集長であり株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOの安斎勇樹と、同じく株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEOのミナベトモミが、「なぜ組織の定石を無視したのか」をテーマにディスカッションしました。

  • designingにて、「組織のプロたちは、あえて“組織の定石”を無視した」と紹介された今回の合併。今回、MIMIGURIがしたとされる“定石破り”を1つずつ確認し、社内の意思決定プロセスを振り返りたい。
  • 1つ目が、合併するときに、一度もホールディングスにしなかった点だ。ただ、ミミクリもDONGURIも、メンバーが自分の会社をとても愛している組織だったからこそ、はじめは安斎・ミナベも「まずは、ホールディングスにしてから」と考えていたと言う。
  • しかし、実際メンバーに相談したところ、「そもそもなんで一度ホールディングスにするんでしたっけ?」と指摘されて今回の決断に至った。
  • 組織デザインの観点で言えば、普通、合併は「ハコの合併(資本業務提携)→アイデンティティの合併(ホールディングス化)→人同士の合併(実際の合併)」と進む。しかし、現場メンバーにとっては「なにをするかよりも、誰とするか」が重要で、「むしろこの順番は逆であるべきなのではないかと、もともと考えていた」とミナベは言う。
  • 資本業務提携の段階から、MIMIGURIはオフィスもスラックも同じ場を共有しており、すでに人と人の垣根は溶け合いつつあった。だからこそ、今回のような定石破りができたのだろう。
  • 2つ目は、共同経営者が持ち株配分を50:50としたことだ。共同経営の先行事例を見ても、仲違いした場合のことがよく挙げられており、「少しでもいいから傾斜を」と書かれていた。
  • しかし、MIMIGURIは対話を大事にする組織だ。定石が考慮しているのは「対話が機能しなくなった場合」だが、むしろ、そのような状況になったとすれば、MIMIGURIとして活動する意味はもはや失われていると考えた。「だからこそ、あえて対話し続けなければいけない状況を作った」というのが経緯である。

出演者

ミナベ トモミ
ミナベ トモミ

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

早稲田大学卒業後、家電メーカー勤務を経て独立。現在は、MIMIGURIが提唱するCCM(Creative Cultivation Model)の理論開発を基盤に、大企業からメガベンチャーまで様々な多角化企業における、経営・組織変革の専門家として自社経営とコンサルティングにおいて実践を進めている。
https://x.com/tomomiminabe
https://note.com/tomomina/

安斎 勇樹
安斎 勇樹

株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO

東京大学大学院 情報学環 客員研究員

1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/東京大学 特任助教授。

企業経営と研究活動を往復しながら、人と組織の可能性を活かした新しい経営・マネジメント論を探究している。主な著書に『問いのデザイン』、『問いかけの作法』、『パラドックス思考』、『リサーチ・ドリブン・イノベーション』、『ワークショップデザイン論』『チームレジリエンス』などがある。

https://x.com/YukiAnzai
https://note.com/yuki_anzai
https://voicy.jp/channel/4331
http://yukianzai.com/