「心理学的経営」のアップデートを探る:新生リクルートが掲げる新しいマネジメント論

2023.11.07/75

──多様な個人とチームが、自律的に、生産性高く、創造性を最大限に発揮するには。

株式会社リクルート(以下、リクルート)は、2021年4月、多領域に展開してきた国内7つの事業会社を統合し、社内外の垣根を超えた協働・協創を生み出すための新たな人材マネジメントのコンセプトとして、「CO-EN」(公園、Co-Encounter)構想を掲げました。この構想には、「自律・チーム・進化」に重きを置いて価値創造をする組織へと変わっていきたいと考える同社の決意が込められています。

しかし、長年かけて浸透した組織文化や価値観をシフトすることは容易ではなく、組織全体が柔軟かつ自律的に変化し続けるためには、メンバーの一人ひとりが新たな構想に対する理解を深め、自らのストーリーに落とし込んでいくことが不可欠です。

こうした課題意識のもと発足したのが、「CO-EN Bookプロジェクト」でした。本プロジェクトは、リクルートと安斎勇樹(株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO)の協働のもと行われ、「CO-EN」構想の思想や理論、施策を有機的に整理・ビジュアル化することを目的としながら、同時に、リクルートを創業期から支える経営論である「心理学的経営」を現代の学術的な経営論・学習論の観点から再解釈し、アップデートを試みる取り組みでもありました。

今回は、ゲストに堀川拓郎さん(株式会社リクルート 人材・組織開発室室長 /ヒトラボ ラボ長)をお迎えし、この「CO-EN Bookプロジェクト」をテーマとした安斎との対談の模様をお届けします。

プロジェクトの中心を担った両者の視点から「CO-EN Book プロジェクト」の中で得られた学びを棚卸しし、心理学的経営に対する新たな理解や、リクルートが目指す新たな人材マネジメント論について語り合います。

登壇者

堀川 拓郎(株式会社リクルート 人材・組織開発室室長 /ヒトラボ ラボ長)

慶應義塾大学環境情報学部卒業後、株式会社リクルートに入社。
住宅領域を中心に営業、事業開発、商品企画、事業推進、人事、経営管理室等を経て現職。内発的動機に基づいたマネジメント、強みの解放と強みを活かし合うマネジメントを日々、実践しながら“心理学的経営”のアップデートを探索しています。

安斎 勇樹(株式会社MIMIGURI 代表取締役Co-CEO/CULTIBASE編集長)

1985年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。研究と実践を架橋させながら、人と組織の創造性を高めるファシリテーションの方法論について研究している。組織イノベーションの知を耕すウェブメディア「CULTIBASE」編集長を務める。主な著書に『問いかけの作法 -チームの魅力と才能を引き出す技術』『問いのデザイン – 創造的対話のファシリテーション』『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』『ワークショップデザイン論 -創ることで学ぶ』がある。

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