CULTIBASE Radioは、これからの時代の「人」と「組織」のマネジメントの実践論を探究していく番組です。株式会社MIMIGURIの共同代表、安斎勇樹とミナベトモミが、パーソナリティを務めます。今回のテーマは「コンテンツメイキング」です。
「作家としての葛藤:健全なコンテンツメイキングの作法」の概要
今回は、ミナベの新刊執筆を題材に、先輩作家である安斎にアドバイスを求めながら対話が進んでいきました。

自分の作品が複数の視点(経営、デザイン、研究など)を掛け合わせた「非創作的な物語」であると説明し、良い作品を作る上での葛藤を4つ挙げました。1つ目の葛藤は、本を書き進めるうちに自分の視野が広がり、過去に書いた部分を何度も書き直したくなるというもの。これに対し安斎は、完璧な100点の本は原理的に存在せず、どこかで「これで出す」と決める損切りが重要であるとのこと。大学院時代の「終わった終論が良い終論」という教えを引用し、いつか次の本を書くという気持ちで、今書いている本を完成させることが大切だとアドバイスしました。
2つ目の葛藤は、専門外の知識を引用する際に、都合よく解釈してしまう「チェリーピック」をどう避けるかです。AIはあくまでネガティブチェックの補助であり、必ず原文を読み、引用と自身の解釈を明確に分けることが鉄則であるとのこと。また、ビジネス書などの中間的な情報源を介さず、大元の文献を確認する「孫引き」を避けることの重要性を強調しました。
3つ目の葛藤は、全ての文章にこだわりたい気持ちと、執筆にかかる時間のバランスです。全てにこだわる必要はなく、特に重要な部分だけを丁寧に書くことで、全体として作家の個性を出すことができると助言しました。
最後の葛藤は、作家が伝えたいこと(エゴ)と読者が求めること(読者益)のバランスです。安西氏は、多くの読者に届けるためには読者益を重視しつつ、コラムなどでエゴを全開にするなど、メリハリをつけることが有効だと語りました。「問いかけの作法」は、読者の視点を意識して書かれたもので、本文とは別に、コラムで自身の理論的な主張を展開していることを例に挙げました。
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