国境なき医師団に学ぶ、全員発揮のリーダーシップに不可欠な”リアリティ”とは?

国境なき医師団に学ぶ、全員発揮のリーダーシップに不可欠な”リアリティ”とは?

10月15日 土

10:00 - 11:30 / 90分

リーダーシップはリーダーだけが発揮するものではなく、全員が発揮するものである──こうした考えに基づき、近年、「全員参加のリーダーシップ」と呼ばれるキーワードが盛んに議論・研究されています。

しかしながら、この「全員発揮」の状態を実際につくり、維持することは容易ではありません。また、「全員発揮」というフレーズが都合よく解釈された結果、「成果が出せなかったのは、メンバーがリーダーシップを発揮しなかったからだ」など、リーダーにとってのある種の”言い訳”に使われてしまうケースも散見されます。

「全員発揮のリーダーシップ」が実現するためには、自身の仕事が組織や社会の役に立っているという確かな手触りや、誰かとともに考え、創り出す純粋な楽しさが必要不可欠です。だとすれば、現代組織の中で一人ひとりがそのような”リアリティ”を持って働くために、何ができるのでしょうか。

本イベントでは、国境なき医師団 日本事務局長・村田慎二郎さんにゲストとしてお越しいただきます。かつてシリア、南スーダン、イエメンなどの紛争地における援助活動チームの現地リーダーとして活躍した経歴を持ち、現在は日本事務局を牽引する村田さん。今回は異なるフィールドでリーダーを歴任してきた村田さんの話題提供をもとに、表題のテーマについてディスカッションを交えながら理解を深めていきます。

ディスカッションのお相手を務めるのは、リーダーシップ教育を専門とする立教大学経営学部准教授・舘野泰一さんと、株式会社MIMGIURI ファシリテーターの田幡祐斤。村田さんの実際的な語りを学術的な観点から捉え直し、「全員参加のリーダーシップ」の本質に迫ります。ぜひご参加ください。

出演者

村田慎二郎(国境なき医師団 日本事務局長) 

静岡大学を卒業後、外資系IT企業での営業職を経て、2005年にMSFに参加。現地の医療活動を支える物資輸送や水の確保などを行うロジスティシャンや事務職であるアドミニストレーターとして経験を積む。2012年、派遣国の全プロジェクトを指揮する「活動責任者」に日本人で初めて任命され、援助活動に関する国レベルでの交渉などに従事。以来のべ10年以上を派遣地で過ごし、特にシリア、南スーダン、イエメンなどの紛争地の活動が長い。2019年夏より、紛争地で人道援助が必要な人たちの医療へのアクセスを回復するために医療への攻撃を止めさせるアドボカシー戦略を練るためHarvard Kennedy School(ハーバード・ケネディスクール)に留学。授業料の全額奨学金をJohn F. Kennedy Fellow(ジョン・F・ケネディフェロー)として獲得し、行政学修士(Master in Public Administration=MPA)を取得した。1977年2月27日生まれ。三重県出身。

舘野 泰一(立教大学経営学部准教授/株式会社MIMIGURI Researcher

1983年生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒業。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学後、東京大学大学総合教育研究センター特任研究員、立教大学経営学部助教を経て、現職。博士(学際情報学)。専門はリーダーシップ教育。近著に『これからのリーダーシップ 基本・最新理論から実践事例まで(共著)』(日本能率協会マネジメントセンター)など。

田幡 祐斤(株式会社MIMIGURI Facilitator)

東京農工大学農学部卒業。奈良県立大学地域創造研究センター共同研究員。アパレル企業での販売/店舗マネジメント、研修会社でのコンサルティング/コンテンツ開発などの業務に従事後、2019年に前身であるミミクリデザインに参画。生態学、環境倫理学、文化人類学、教育学、心理学などを基に「人間にとっての自然さ(の回復)」を探究しながら、事業開発や組織開発のプロジェクトのファシリテーション及びその方法論の開発を行っている。元来、人間以外の生物が好き。

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